No.13 高齢者の見守りについて考えてみた – 日本赤十字社 兵庫県支部

事務局長の窓

No.13 高齢者の見守りについて考えてみた

2020年8月21日 掲載

日本赤十字社兵庫県支部事務局長 大久保博章

地域の人口減少と一人暮らしの高齢者が社会問題となって久しいが、私の母親ももうすぐ90歳。地方で一人暮らしをするいわゆる独居老人である。そんな母親と私を繋ぐのは、Amazonのテレビカメラ機能のついたAIスピーカーEchoShow5。

母親は以前から歩数計機能のついた携帯電話(ガラ携)を使っており、毎朝、携帯を開くと私にショートメールで、前日の歩数記録が届く。携帯の起動と同時に元気でいることが確認できることから重宝していたが、最近は、EchoShow5を使ってテレビカメラで様子を確認している。

このAIスピーカーの便利なところは、呼びかけ機能があるところ。母親がスピーカーの前に座っておりさえすれば、私からスマホで「おはよう」と呼びかけると、私と母親の画像が映り、互いの元気が確認できる。

母親とは毎朝7時にEchoShow5の前に座ることを約束している。私は、毎朝7時にスマホのアプリを開いて呼びかけると、そこに母親の顔がある。見守り機能としては、なかなかの優れものである。

そんな独居老人の見守りが私自身にとって切実なものとなる中、赤十字においても県下各地で高齢者見守りの動きがある。従来の赤十字奉仕団といえば、防災、炊き出し、講習が中心であったが、地域で一人暮らしの高齢者が多くなり、最も重要な問題として取り組みがはじまっている。

奉仕団と子供たちが一緒になって高齢者の家を訪問したり、企業と連携して見守り活動が進められている。新型コロナウイルスの影響で、人と人との接触が困難な状況が続いているが、困っている人を助ける、互いに助け合う赤十字活動の新たな展開として、見守り活動を力強く展開していきたい。