No.17 看護専門学校戴帽式に出席して – 日本赤十字社 兵庫県支部

事務局長の窓

No.17 看護専門学校戴帽式に出席して

2020年10月29日 掲載

日本赤十字社兵庫県支部事務局長 大久保博章

10月27日、姫路赤十字看護専門学校第122回生戴帽式が挙行された。
私も支部長代理として、告辞を述べるべく出席した。

入学から半年、基礎学習を終え、初めての病院実習に臨む直前に、看護師としての職業意識を高め、その責任の重さを自覚させるための儀式である。
例年なら、市長や看護協会代表、地域の方々などの来賓と保護者に見守られて行われるが、今年は新型コロナウイルスの影響で、来賓や保護者参列のない簡素な戴帽式であった。保護者には後日、動画配信で式典の模様をお伝えするらしい。
それでも、学校長でもある姫路赤十字病院長の挨拶にあった「帽子は軽い、責任は重い」の言葉どおり、学生の表情は、緊張感と責任感に満ち溢れ、これからの実習に臨む意気込みが感じられる。

全国で働く看護師は、約120万人と言われているが、その中でも「日赤の看護師は優秀」という声をよく聞く。これは、全国で、赤十字の基本理念である人道を理解した養成が行われ、災害、保健、医療、福祉の幅広い分野で「患者への思いやりが最も大切なことである」という文化をもった赤十字看護師が活躍しているからであろう。

戴帽式では、ナースキャップをつけてもらった学生がナイチンゲールからの灯りを受け継ぎ、そのキャンドルの灯りの中でナイチンゲール誓詞を朗読した。この灯は、ナイチンゲールがクリミア戦争で夜間もランプの灯りを頼りに傷病者から傷病者へと見守り続けたことに由来するらしい。
近年、臨床現場では、ナースキャップをつけない病院が多く、戴帽式を行わない学校も多いと聞く。しかし、このような意味のある歴史と伝統の行事は是非続けてほしい。

式典終了後、参加者全員で記念撮影。その時初めてマスクを外し、緊張がゆるみ笑顔に戻った学生を見て、「これから実習、大変だけど頑張れよ。」と囁いた。 今回戴帽を受けた学生が看護師として巣立つとき、日本の医療体制もコロナを克服した新しい時代になっていることを期待しながら・・・。