No.18 新たな赤十字企業奉仕団の誕生 – 日本赤十字社 兵庫県支部

事務局長の窓

No.18 新たな赤十字企業奉仕団の誕生

2020年11月9日 掲載

日本赤十字社兵庫県支部事務局長 大久保博章

11月2日、加古川市の但陽信用金庫本店において、「たんよう赤十字奉仕団」に奉仕団旗を贈呈させていただいた。

震災以降、25年に渡り、高齢者、障がい者等の見守りを続けてきた同信用金庫。全国で初めて「高齢者、障がい者等」の見守りなどに取り組む企業主体の特殊奉仕団が結成された。

同金庫の桑田理事長は、兵庫県日赤有功会の会長でもある。先日、懇談する機会があり、「信用金庫として、ボランティアで高齢者を病院等へ送迎しているが、地域の方に信頼いただくためにも赤十字をつけて活動したい」とのお話をいただき、それならば是非にと、企業奉仕団の結成となった。
これからは、桑田委員長を筆頭に約50名の職員が赤十字奉仕団のロゴがついたベストを着て、活動いただく。その内容は、独居老人や高齢夫婦への定期的な声掛けから、病院や買い物への送迎、また時には地域活動への参加など、幅広い。
多くの企業がSDGsの取り組みとして、環境問題や福祉問題に取り組む中でも特筆すべき活動ではないだろうか。

戦争の救護活動から生まれた赤十字。救護活動を補完するために病院、血液センターが整備された。近年、救護活動は自然災害や大規模事故の救護が中心となっている。平常時は、訓練や救急法、生活安全講習の普及に取り組んでいるが、令和時代の最大の課題は高齢者対策である。

地域に一人暮らしの高齢者や高齢者のみの家庭が増え、コロナ禍で外出を控える生活様式が進む中、高齢者の安全安心をどう守るかが、行政のみならず、我々赤十字にも課された課題である。 桑田委員長の言葉を借りれば、「地域に最も根差している信用金庫の職員がやらなくて誰がやる。」まさしく、自助、共助、公助が求められるこれからの時代、赤十字がやらなくて誰がやるである。このような企業のSDGsの活動が赤十字と連携してますます盛んになっていくことを期待している。