No.22 26回目の1月17日 – 日本赤十字社 兵庫県支部

事務局長の窓

No.22 26回目の1月17日

2021年1月14日 掲載

日本赤十字社兵庫県支部事務局長 大久保博章

年が明け、また1月17日がやってきた。

あの日から、26年。私たちはあの日のことをどのように伝えていくのか、あの経験をどう活かしていくのか、そして南海トラフをはじめとした自然災害にどう備えるのかを考える日でもある。

例年、HAT神戸の「人と防災未来センター」前で行われる追悼式典は、新型コロナウイルスの影響で、規模を縮小して行われる。私も、支部代表として出席する。今年は日曜日とあって多数の若者・家族連れの参加を見込んでいたメモリアルウォーク、交流広場でのイベントや防災展示、日赤も参加する防災訓練も中止になった。ここまで準備を進めてきた職員、関係者は忸怩たる思いであろうが、気持ちを新たに、また27年目の第1歩を踏み出してほしい。

たとえコロナ禍であっても、自然災害は容赦なく襲ってくる。だからこその備えである。そしてこのコロナ禍での自然災害は、今までとは全く違った視点での災害対応が求められる。感染防止を最大限考慮した避難所や救護の在り方、人と人との接触をできる限り少なくした炊き出しやボランティア活動など、被災者の状況に細心の注意を払いつつ、きめ細やかな対応が必要である。

兵庫県支部の震災の記録を見ると、震災直後から支部は全国の支部からの応援を受け、981班、5959人の要員を災害現場に派遣、38359人の被災者を診察したとある。当時、兵庫の地で奮闘いただいた全国の日赤関係者が今、再びこの地で活動するとすればどうなるのか、そんなことにも思いをはせながら黙とうを捧げたい。