No.27 新規採用職員を前にして – 日本赤十字社 兵庫県支部

事務局長の窓

No.27 新規採用職員を前にして

2021年4月2日 掲載

日本赤十字社兵庫県支部事務局長 大久保博章

今年もまた、フレッシュな若者たちが日本赤十字社に来てくれた。

4月2日、赤十字病院、血液センターで働く総勢170人の新規採用職員の研修会が兵庫県支部と姫路、多可病院で行われた。本来なら、兵庫県支部の大会議室に全員が参集し、ぎっしり机を並べて講義形式で行うところが、今年度は3会場に分かれWEBでつないでの実施となった。

研修冒頭、私から3つのことをお願いした。

1つ目は、赤十字の歴史を学んでほしいということ。今から100年余り前、世界中でスペイン風邪が流行し、日本においても2300万人が感染し、38万人が亡くなられた。その時、日本赤十字社は、日本各地で先輩たちが感染症との闘いの最前線において懸命に活動したことを覚えておいてほしい。また、第2次大戦末期、姫路赤十字病院の救護班が命を懸けて南方戦線で戦時救護に従事、多くの尊い人命が失われたこと。このことが書かれた散華抄という小冊子を是非読んでほしい。

2つ目は、赤十字活動の輪を家族、友人、知人一人でも多くの方に広げてほしいということ。赤十字活動は、決して我々職員だけでできるものではなく、県民一人一人の協力と支援がないと成り立たない。コロナ禍の中、今こそ、苦しんでいる人を救いたいという赤十字活動を多くの県民に広げていくことが求められている。

3つ目は、前例にとらわれない新しい発想で、職務に取り組んで頂きたいということ。この1年間で世の中は、大きく変化した。今まで時代の変革期という言葉よく使われてきたが、本当の意味で時代が大きく変わった。その中で、従来と同じ発想であれば、赤十字に寄せられている期待と信頼を維持することはできない。新たな時代にいかに対応していくか、若い皆さんの柔軟な発想でこの赤十字社の未来を担ってほしい。

私の挨拶を聞く新規採用職員の真剣なまなざしに、少し感動を覚えながら、「皆さん頑張ってください」と締めくくった。

頑張れ、令和3年度新規採用職員!