JRC加盟校活動紹介~兵庫県立芦屋高等学校~

兵庫県立芦屋高等学校ではボランティア部の方々に兵庫県青少年赤十字(以下、JRC)に加盟していただいています。
今回は「災害時の食を考えるワークショップ」の活動を取材させていただきました。当活動は年に2回行っており、1回目はボランティア部内で開催し、2回目は講師の先生をお呼びして、地域の方も招待して開催しています。

今回は、その2回目の活動に参加させていただきました。
コロナ禍ということもあり、地域の方の招待はなく、自分で作ったものを自分で食べるというスタイルに変更して開催されました。 以下、生徒さんの作られたメニューの紹介と活動に関するインタビューを掲載します。
『私の缶詰メニュー』をテーマに各々工夫を凝らして調理されております。

★ポイント★
洗い物、水をほとんど使っていない。
①鯖缶を缶のまま、身をほぐす。
②マヨネーズ、カレー粉、にんにくチューブを①に入れ、混ぜる。
③チーズを②の上に乗せる。
④オーブンやトースターで10分ほど焼く。

★ポイント★
パスタのソースや水を足してスープとしてもアレンジできる。また、皿を洗わなくていい。
①ポリ袋にすべての材料を入れる
②水を入れた鍋にポリ袋を入れ、10分ほど煮る。
③ラップを張った皿に移して完成。

★ポイント★
簡単にできるし、トマトソースではなく、トマト缶にすることで、お腹を満たしやすくなります。
①餃子の皮にトマト缶を乗せる
②シーチキンとコーンを乗せる。
③スライスチーズをちぎってかける。
④アルミホイルにのせて3分ぐらいオーブントースターで焼く。

★ポイント★
タンパク質、ビタミン、炭水化物など栄養素が豊富であり、調理過程も包丁など危険なものを使わず、調理方法も簡単なので、小さなお子さんでも簡単に作ることができます。
①パスタを半分の長さに折り、耐熱袋にいれる。
②袋の中にパスタが浸るくらいの水を入れる。1~2時間ほど放置。
③耐熱袋の中に食材を入れる。
④鍋に水を入れ、沸騰後、耐熱皿を鍋の底に置いて、パスタと①を入れる。
⑤パスタが茹で終わったらパスタの袋に穴をあけて水を捨て、①の食材の入った袋に入れる。

★ポイント★
マシュマロや水分のあるリンゴと合わせることで、乾パンが柔らかくなり、食べやすくなる。乾パンがあることで腹持ちがよくなる。
①乾パンをジップロックに入れて麺棒で細かく砕く。②りんごを1cm角に切る。
③耐熱のポリ袋に大きめのクッキングシートを入れ、マシュマロ、乾パン、りんごを均等に入れる。
④小さめの鍋に入れ、マシュマロが溶けるまで湯煎する。
⑤ポリ袋からクッキングシートごと出し、形を整え粗熱をとる。




Qボランティア部ではどんな活動をしていますか?
募金活動や学校の周りの掃除を定期的にしています。また、神戸マラソンのボランティアや芦屋市のNPO法人と連携して地域の新聞を作成したりしています。
また、障がい児の方に向けて手紙やイラストを送っています。あと、地域の人に2か月に1度お手紙を配布しています。あとは、先輩が作成した津波避難シミュレーションを学校全体の防災訓練で活用しています。
毎年、東北を訪問して、高校生と交流していましたが、今年はコロナ禍ということもあったので、ZOOMを利用して防災について10校と意見交換をしました。
QZOOMを活用した交流はコロナ禍の新たな取り組みだと思いますが、何か印象的だったことはありますか?
榎尾さん:他校の発表で「被災体験を語り継ぐことの大切さ」ということを言っていて、震災を知らない小学校・幼稚園の子にお芝居を通じてわかりやすく語り継ぐという発想が興味深いなと思いました。また、小さい子だけではなく、大人世代にも発信していく必要性があると言っていたことに、共感し、新たな気づきでした。
Qなぜボランティア部に入ろうと思ったのですか?
的場さん:運動部を避けたくて(笑)
榎尾さん:中学校の時には、ボランティアに触れることがなかったので、高校でそういう部活があるんだと思って、興味を持ったからです。
Q今までの活動で、印象に残っている活動や楽しかった活動を教えてほしいです。
的場さん:今回やっている「災害時の食を考えるワークショップ」です。みんなの防災食の発想がおもしろいなと思います。
榎尾さん:芦屋市のNPO法人から依頼を受けて、記者としてイベントの取材をし、記事を書くという活動です。幅広くいろんなことを知ることができて面白いです。
Q活動の中で嬉しかったことはありますか?
榎尾さん:学校の周りを掃除しているとき、通りがかった地域の方に「ありがとう。」と声をかけていただいたときは嬉しかったです。
QJRCには「気づき、考え、実行する」という態度目標がありますが、活動の中でこの態度目標に通ずるものがあると感じたことはありますか?
特に、津波避難シミュレーションの活動が当てはまるのではないかと思います。
「地震が発生した場合」に備えて(気づき)、避難動画を作成し、地震後すぐに避難する場合と地震発生20分後に徐々に避難を始める場合を想定して(考え)、学校全体の避難訓練を実施しています。(実行する)
Q今後一緒にボランティアをやっていくとしたらどんな人に来てほしいですか?
的場さん:やる気がある人だったらどんな人とも一緒にやりたいです。
榎尾さん:やる気もそうですが、色々な考えを持っている人と一緒にやってみたいので、「ボランティア精神がある。」という人でなくても、どんな人でも一緒にやりたいです。
Q担当期間は長いのですか?
8年くらい担当しています。
Q活動を通して生徒の変化などを感じることはありますか?
コロナ禍ではなかなか厳しいのですが、地域の方や外部の方と一緒に活動をすることで、(生徒さんが)成長しているなと実感しています。
今回の活動の講師の先生は、ボランティア部のOGの方だということで、高校3年生の時の阪神淡路大震災の被災体験をきっかけに、防災食を作って広める活動をされているそうです。
ボランティア部の活動としても、地域の清掃活動や手紙を配布するなど、地域との繋がりを大切にされている様子がすごく伝わってきました。こういった奉仕活動を主体的に取り組む姿勢がJRCの目標とする青少年の育成に繋がっていくのだろうなと改めて実感しました。
また、インタビューの中で、どういう人と一緒になりたいかとお伺いした際、「言葉にするのが難しいですが」と前置きされたうえで、「どんな人でも来てほしい」と話してくれた部長の榎尾さんの言葉からボランティア部の活動への熱意を感じました。
