2026年1月15日 掲載
事務局長 生安 衛
新年、明けましておめでとうございます。健やかに新春をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。また、日頃は、日本赤十字社の活動に温かいご理解とご支援を賜り、心より御礼を申し上げます。
本年は午年を迎えました。午は力強く前へ進む姿から、「前進」「挑戦」「活力」を象徴すると言われています。社会情勢が大きく変化し、不安や課題が複雑化する今こそ、私たち赤十字には、ためらうことなく行動し、人に寄り添い続ける姿勢が強く求められています。
一人一人の「いのちと健康、尊厳を守る」という不変の使命を胸に、時代に即した新たな挑戦を恐れず、歩みを進めてまいりたいと考えております。
1月17日には、阪神・淡路大震災から31年を迎えます。あの日の経験と教訓は、私たちにとって決して風化させてはならない原点だと思っています。また、能登半島地震からも2年が経ちました。復旧・復興が着実に進む一方、心身の負担や生活再建の課題は今なお続いていると聞いております。
新年に入って、1月6日、島根県東部を震源とする地震が発生し、鳥取県・島根県で最大震度5強(マグニチュード6.2、深さ約10キロメートル)が観測されました。約10分後にも最大震度5弱の地震が続くなど、余震が50回以上観測されています。また、1月8日には、山梨県上野原市と大月市にまたがる扇山の山林火災が発生し、今も延焼が続いています。11日には群馬県や神奈川県でも山火事が相次ぎました。さらに、日本海側では年始から暴風雪が続き、交通機関に影響が出ています。
兵庫県支部では、地域の皆さまの安全を心よりお祈りするとともに、本社や他支部と連携して、必要な支援に取り組みたいと考えております。
本年は、来年の150周年を控えて、「ともに支え合い、人道の歩みを未来へとつなぐ」ことを目標に、様々な活動に挑戦したいと感じております。
(来年の創立150周年に向けて)
日本赤十字社は2027(令和9)年に150周年という大きな節目を迎えます。戦争、災害、感染症など、数多くの困難に直面しながらも、人道の理念のもとで支援を続けてきた150年の歴史は、多くの先人たちの献身と県民の皆さまの支えによって築かれてきました。
前の年となる本年は、150周年に向けての土台を築き、そして人と人とのつながりを築く年にしたいと思っています。
この重みある歴史を受け止めるとともに、次の150年に向け、赤十字が社会にどのような価値を提供し続けるべきかを検討し、来年からの具体的な行動につなげていくことが重要であると感じております。
とくに、近年、気候変動の影響による自然災害の激甚化、少子高齢化や地域のつながりの希薄化など、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。
このような時代だからこそ、人と人とが支え合う「共助」の力が、これまで以上に重要になります。赤十字は、行政、地域団体、企業、ボランティアの皆さまと連携しながら、地域に根ざした活動をより一層推進していきたいと感じています。
現在、創立150周年に向けた事業の企画について、本社がワークショップ・アイデア募集などで、各支部・施設の職員の意見をふまえながら、検討しています。
「赤十字の理念に共感、共鳴する人々と共に『新しい時代の赤十字』を作り上げる」ことを目的にして、①歴史を振り返り、赤十字運動に携わってきた方々に感謝する取り組み、②未来の展望を描き多くの方々に参加いただく取り組み、③職員等の自分ゴト化を図る取り組みの企画が検討されています。
事業の具体的な内容が決定され次第、局長だよりなどで報告させていただきます。


(震災の教訓を未来へと継承)
1995(平成7)年1月17日、未曾有の大震災により、多くの尊い命が失われ、街と暮らしは一瞬にして奪われました。被災した兵庫県支部にとって、あの日の経験と教訓は決して風化させてはならない原点であります。
災害医療、救護体制の整備、防災教育や地域での備えの重要性を次世代へと伝え続けることは、被災地赤十字の責務であると考えています。改めて、平時からの準備と人材育成に力を注ぎ、「いざという時に確実に・素早く行動する赤十字」を築いていきたいと感じています。
本年1月17日に、阪神・淡路大震災を忘れず語り継ぐための「1.17ひょうごメモリアルウォーク2026」に参加します。
内容としては、メモリアルウォークの立ち寄りポイントとして、本庁舎1階で温かいみそ汁600食の提供を行います。また、阪神・淡路大震災当時のパネル展示も行う予定です。
また、なぎさ公園では、地域赤十字奉仕団の皆さまとともに、チキンライス、コーンスープをそれぞれ500食提供するとともに、大型エアーテントを設置し、渚中学校の学生等を対象とした救急法講習会も実施いたします。
震災後31年を迎え、風化しがちな防災意識を高めるとともに、震災の経験と教訓を発信し、「忘れない」「伝える」「活かす」「備える」「繋ぐ」を意識して、震災の経験や教訓を未来へと受け継ぐ取り組みにしたいと思っています。
<ひょうご安全の日のつどい>
https://19950117hyogo.jp/gathering/

また、能登半島地震から2年が経過しました。被災地では復旧・復興が着実に進む一方で、被災者の皆さまが抱える心身の負担や生活再建の課題は、今なお続いています。災害支援は発災直後だけで終わるものではありません。長期的な視点で被災者に寄り添い続けることこそが、赤十字らしい支援であると考えています。兵庫県支部としても、これまで培ってきた経験を生かし、本社や全国の赤十字と連携しながら、必要に応じて息の長い支援を継続したいと考えております。
昨年11月頃から原子力発電所の再稼働の動きが活発化してきました。放射線環境下で安全に救護活動を行うための「原子力災害時の救護研修」は極めて重要です。また、この1月からは大規模災害時に患者を船内で治療したり、被災地外の医療機関に運ぶ病院船の運用が始まります。病院船での特殊な環境になれておく「病院船研修」も望まれます。兵庫県支部では、社会の様々な状況を想定した多様な救護研修・訓練を、赤十字間だけでなく、他機関と連携して取り組んでいきたいと思います。
(100周年を迎える赤十字の講習事業)
本年は、重要な赤十字活動の柱である「講習事業」が実施されてから、100年という記念すべき節目を迎えます。
日本赤十字社の講習事業は、1926(大正15)年に、全国の支部へ「衛生講習会実施要領」を通知したことに始まります。この取組は、第一次世界大戦後に設立された赤十字連盟(現在、国際赤十字・赤新月社連盟)が平時の保健・衛生活動を各国に奨励した流れを受けて行われました。
兵庫県支部では、健康と安全を守る講習として、「救急法」「幼児安全法」「水上安全法」「健康生活支援講習」「防災セミナー」を県内各地で、毎年約400回開催し、延べ1万人を超える方々に受講していただいております。
これらの講習は、専門家だけでなく、地域で暮らす一人一人が「誰かを助ける力」を身につけるための取り組みであり、誰もが一次救命処置や応急手当などを学べる内容となっています。
これからも、子どもから高齢者まで幅広い世代に講習の機会を提供し、日常の中でいのちと健康を守る行動が自然に取れる社会づくりを目指していきます。
とりわけ、この100年の歩みは、地域に自助・共助の文化を育んできた歴史であったとも感じているところであります。
本社・各支部では、これまで講習事業を支えていただいた多くのボランティアの皆さんをはじめとした関係者に感謝するとともに、これからの講習事業の更なる推進の思いを表明することを目的にイベントなどの記念企画を検討しております。
併せて、兵庫県支部では、100周年を節目に、赤十字加盟校や企業などと連携した受講者数のさらなる拡大のほか、DXを活用した提供体制の検討、外国人・高齢者などインクルーシブな普及なども考えていきたいと思っています。
<講習で学ぶ(兵庫県支部)>
https://www.hyogo.jrc.or.jp/lecture/

結びにあたりまして、2026年が県民の皆さま一人一人にとって、希望と安心につながる一年になることを心から願うとともに、日本赤十字社兵庫県支部の活動が、皆さまの信頼に応え続けられるよう、職員・ボランティアが一丸となって、取り組んでいく決意を申し上げます。