No.3 春よ来い – 日本赤十字社 兵庫県支部

事務局長の窓

No.3 春よ来い

2020年3月23日 掲載

日本赤十字社兵庫県支部事務局長 大久保博章

3月になるといつも思い出す歌がある。松任谷由実の「春よ来い」

25年前の阪神淡路大震災の時、私は県庁の係長1年生。人事課で他府県からの応援職員のお世話をする仕事をしていた。短期応援と長期応援職員の調整、宿舎の確保など、全てが手探りの仕事であった。そんな中で唯一の楽しみは食べること。震災前までは、昼は県庁周辺の飲食店で食べていたのが、震災で飲食店が潰れ、職場でおにぎりとカップ麺をすする毎日。食事が終わり、ほんの数十分の休憩の時、テレビから聞こえてきたのがこの歌だった。NHKの連続ドラマは何だったか忘れてしまったが、ユーミンの声だけは耳に残っている。「春よ、遠き春よ、瞼閉じればそこに・・・」

ヒビだらけの庁舎の中で、こんな状態でも春が来るのかなあと思いながら仕事をしていた日々も今となっては懐かしい。どんな時でも春が来て、日々が過ぎて行き、あの時持ちこたえた県庁舎も建て替えが計画されている。

今、世の中はコロナウイルスのことでみんなが怯えている。早くこの状態が収束して、本当の意味で春が来ることを願っている。