No.11 5か月振りの講演会 – 日本赤十字社 兵庫県支部

事務局長の窓

No.11 5か月振りの講演会

2020年7月31日 掲載

日本赤十字社兵庫県支部事務局長 大久保博章

企業の経営者や団体役員等を対象に月に1回、神戸市内のホテルで新聞社主催の講演会が開催されている。政治、経済、歴史、科学、防災、IT、時には芸能やスポーツ分野の著名人、専門家の話を聞ける貴重な場として私も数年来、欠かさず出席してきた。そんな講演会もご多分に漏れず「新型コロナウイルス感染症の影響で」3月以降中止になっていた。緊急事態宣言が解除され、GOTOキャンペーンも始まり、世の中が経済をまわしていくべきだという機運とともに、7月末に久々に講演会が開催された。従来よりも広い会場、席の間隔も十分に開けて、マスク着用、手指消毒実施の上で、講師の話をアクリル板越しに聞く形で。

講師は神戸大学医学部の岩田健太郎教授。内容は「ポストコロナの時代に」。氏は2月にダイヤモンド・プリンセス号に乗り込み、感染症対応の問題点を指摘したことからマスコミに何度も取り上げられた感染治療学の専門家である。

医学的見地からの講演内容は省略するが、氏の話の中での特筆事項は、「ウイルスは水のようなもの、少量であれば健康に支障がないが、大量になると津波のように命を落とすことになる。」「自分はテレビは見ない。雑誌も見ない。テレビで感染症に詳しいという紹介をしている医師、学者は本当の専門家ではない。テレビ報道は大半が間違っている。」「とるべきことは、ソーシャルディスタンスと感染経路の遮断、リモートワーク」とのことであった。

なるほど、テレビ、ネットで新型コロナウイルスに関する様々な情報が飛び交い、何が正しく何が間違っているかはわからない。夏になれば小康状態になるのではと期待された感染者の数もここ数日全国的に拡大しつつある。

テレビも新聞も都道府県ごとの毎日の感染者の数を一番に報道し、個人が特定できてしまいそうな感染者情報が氾濫している。

そんな情報に一喜一憂するのではなく、今やるべきこと、できることを考えながら日々の生活を送っていきたい。