No.33 青少年赤十字100周年に向けて – 日本赤十字社 兵庫県支部

事務局長の窓

No.33 青少年赤十字100周年に向けて

2021年6月8日 掲載

日本赤十字社兵庫県支部事務局長 大久保博章


児童・生徒が、日常生活の中でいのちと健康を大切にし、地域社会、国家・世界のために奉仕し、世界の人々との友好親善の精神を育成する青少年赤十字。その誕生は1922年にさかのぼる。滋賀県の守山小学校が、全国に先駆けて青少年赤十字団(JRC)を結成し、赤十字の人道・博愛の精神でボランティア活動を実践する活動の輪が全国に広がったと言われている。

兵庫県においては、11月の第2日曜日を「兵庫県青少年赤十字の日」として独自に定め、1964年以来、県下一斉に、地域で数校が合同して、あるいは各校で青少年赤十字活動を展開してきた。その活動は、病院、老人施設、児童施設等の訪問活動、在宅老人や身体障碍者等の訪問交流活動、公共の場の清掃等美化活動、留学生等を交えた交歓交流活動、体験発表会等の学習活動等多岐にわたっている。

まさしく各校の実情に合わせて教育活動の一環として青少年赤十字活動が展開されてきた。また、1967年には県下の青少年赤十字加盟各校からメンバー及び指導者2000名参加のもと兵庫県青少年赤十字大会が開催されるなど、児童・生徒の心のなかに赤十字が浸透していたことがうかがわれる。

しかしながら、学校現場の多忙化、子供たちの生活の変化等から、かつて幼保小中高等合わせて500校近くあった赤十字加盟校が、現在は183校と大きく減少し、また、活動も少数の学校に限られている。

コロナ禍で、人々が自宅に閉じこもりがちになり、人と人との交流が少なくなっている今こそ、もう一度、「やさしさ」「おもいやり」の心を育てる青少年赤十字活動強化に本格的に取り組む必要があると考えている。

そこで、県下の小中学校を所管する教育事務所を回って、所長さん方に市町教育委員会、小中学校への働きかけをお願いすることとした。 幸い、教育事務所長さん方は、昔、私が県教育委員会で2年間勤務した時に、公私ともお世話になった方ばかりである。またまた、無理をお願いすることになるが、来年の100周年に向けて、1校でも2校でも加盟いただき、子供たちが赤十字を理解し、活動するきっかけ作りとなるよう努力していきたい。