No.77 新しい年がはじまりました – 日本赤十字社 兵庫県支部

事務局長の窓

No.77 新しい年がはじまりました

2024年1月5日 掲載

事務局長 大久保博章

令和6年元旦。関西地方は穏やかな天候に恵まれ、新しい年が始まった。

昨年は、世界各地で紛争や自然災害が頻発したが、国内は比較的、災害の少ない年であったように思う。

今年も、穏やかな1年でありますようにと祈っている矢先、石川県能登半島で大きな地震が発生した。震度7を観測したのは5年前の北海道胆振東部地震以来で、地震による直接死としては、熊本地震を大きく上回る大災害となっている。

災害は忘れたころにやってくるといわれるが、阪神淡路大震災から、間もなく29年。東日本大震災から13年。私自身が、兵庫県防災監として、支援の陣頭指揮をした熊本地震からは9年が経過している。正月のお屠蘇気分でくつろいでいる元旦の午後に、こんなに大きな地震が発生するとは、正直驚きを禁じ得ない。

現地では、支援物資の不足、物資が届いても仕分けする人材の不足、避難所の生活用水とトイレの不足など、様々な困難に直面している。どの問題も阪神淡路大震災や東日本大震災の反省に立って、各自治体が対策を講じてきたものである。それでも、いざ災害が起きると、これらの問題が顕在化することを真摯に反省しなければならない。

とにかく、今は被災者支援第一。熊本地震の時のように、震災直接死の数倍もの避難所等での災害関連死を出さないように、全力を尽くさなければならない。

日本赤十字社としては、発災直後から、現地に職員を派遣し、全国の支部からも救護班を派遣している。兵庫県支部も10日の神戸赤十字病院の救護班を第1陣に、順次救護班を派遣する予定である。

我々のできることは、限られているが、派遣される救護班と一緒になって被災者支援に取り組んでいかねばならない。苦しんでいる人を救うために。

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。